2014年 08月 22日
バレエ・リュス 衣装の魅力
あくまで私の好みですが
まずはなんと言っても、国立新美術館のこの展覧会HPトップにも掲載されている
1 「青神」のチュニック。1912年頃のもの。
無知だった私は、これは女性の「チュチュ」の前身のようなものかと思っていました。胸元はピンクの絹地で、蓮の蕾が2色でアップリケされ、蕾の先端からは金色の糸で光線が広がっている。次に目をひくのは「青」で、腕の部分やスカート(だと思った)には三角や菱形の「青」のアップリケ。スカートの地の色も紫に近い「青」だ。スカートのすそ部分や、上着の脇の部分・ウエスト部分は生成り色で、草色の布がアップリケされている。スカートの裾にはピンクの金属?のボタンがずらり並べられ、とてもかわいい。全体的なイメージは「青神」=「女神」でした。
ところが!これが男性の着る「チュニック」の上着だったのです。しかも「青神」というだけあって、これを踊る男性は全身(もちろん顔も)青のドーランを塗り、その上からこのチュニックを着るとありました。
しかも、しかも!
これが唯一ニジンスキーが着たと確定できる衣装だったのです。裏地にはえりのところに、「ニジンスキー」とあり、首回りには汗とともににじんだと思われるドーランが、今も残っているのです。
この神様がなんで全身「青」なのかというと、「毒蛇」にかまれたからなんですって。(笑)いい神様で、このバレエでは、恋人たちの願いを叶える役目を持っています。青い神様は日本にもいるね。「青不動」。「青」は結構強いインパクトがあります。
現代、復刻再演され、ツィスカリーゼが演じたことがあるとか。彼も「濃い」キャラなので、見てみたい気がします。
2 シャー・ゼーマンのチュニックとズボン
バイヤスをふんだんに取った(14・5枚はぎになっているように見えた)存在感のあるチュニックは、なんと言っても色の取り合わせが美しい。アクアマリン(うーん、ちがうな…シアン?露草色?)と紫と黄色。そして、さらに金色で縁取りがされている。上着の胴体はアクアマリンが首。ズボンと腕は紫からなっている。アクアマリンがとってもさわやかな、それでいて絹紋織、サテンの布なので、重厚感漂う衣装だ。
しかも!
このさわやかさな衣装は王にゾベイダの不貞を教えてしまう弟、「シャー・ゼーマン」の衣装なのだ。「シェヘラザード」は何度か見たことがあるが、「弟」は悪役(?)なので、もっと毒々しい感じの(まあ、だいたいこの演目は毒々しい派手派手しさに満ちているけど)衣装だったと思う。
この「正義です!」的な逆説的衣装デザイン。うーん、やるな?!
1。2ともにデザインは「レオン・バクスト」
3 「嘆く人」の衣装
白黒?!と思ってよーく見たら、白地に紺の幾何学模様のアップリケでした。「白」は、和紙みたいに思えましたが、ウールのフェルトだそうです。頭飾りとずきんがついたローブなんですが、日本の着物みたいなかんじ。やはり白は「喪」のイメージで、「嘆く人」というのも納得!!
バレエの内容を詳しく知らないのですが、これは群舞の人たちの衣装なんじゃないのかなあ…と思いました。この「ナイチンゲールの歌」というバレエの衣装は、アンリ・マティス。宮中の人々の衣装も、「着物」や「トゥーランドットの世界」なかんじ。
それもそのはず、中国のおとぎ話をバレエ化したものだそうで、王様に「日本製の機械仕掛けのナイチンゲールが献上され、王様は本物のナイチンゲールをないがしろにする…」という流れ。日本も中国も、こういうイメージあるよねえ。
番外編で「さん歌」というバレエの「星座」という衣装がモジモジ君みたいな青い全身タイツだったり、「サドコ」というバレエの「イカの衣装」(とってもうつくしかったです)なんてのがあったり、「金鶏」というバレエの「ドドン王」の衣装が最高に豪華でローブにマント、白豹のしっぽまで使われていたり、
もう一度見に行ったら、また違うものに目がとまるんでしょうね。…とはいえ、この展覧会は9月1日までです。
まずはなんと言っても、国立新美術館のこの展覧会HPトップにも掲載されている
1 「青神」のチュニック。1912年頃のもの。
無知だった私は、これは女性の「チュチュ」の前身のようなものかと思っていました。胸元はピンクの絹地で、蓮の蕾が2色でアップリケされ、蕾の先端からは金色の糸で光線が広がっている。次に目をひくのは「青」で、腕の部分やスカート(だと思った)には三角や菱形の「青」のアップリケ。スカートの地の色も紫に近い「青」だ。スカートのすそ部分や、上着の脇の部分・ウエスト部分は生成り色で、草色の布がアップリケされている。スカートの裾にはピンクの金属?のボタンがずらり並べられ、とてもかわいい。全体的なイメージは「青神」=「女神」でした。
ところが!これが男性の着る「チュニック」の上着だったのです。しかも「青神」というだけあって、これを踊る男性は全身(もちろん顔も)青のドーランを塗り、その上からこのチュニックを着るとありました。
しかも、しかも!
これが唯一ニジンスキーが着たと確定できる衣装だったのです。裏地にはえりのところに、「ニジンスキー」とあり、首回りには汗とともににじんだと思われるドーランが、今も残っているのです。
この神様がなんで全身「青」なのかというと、「毒蛇」にかまれたからなんですって。(笑)いい神様で、このバレエでは、恋人たちの願いを叶える役目を持っています。青い神様は日本にもいるね。「青不動」。「青」は結構強いインパクトがあります。
現代、復刻再演され、ツィスカリーゼが演じたことがあるとか。彼も「濃い」キャラなので、見てみたい気がします。
2 シャー・ゼーマンのチュニックとズボン
バイヤスをふんだんに取った(14・5枚はぎになっているように見えた)存在感のあるチュニックは、なんと言っても色の取り合わせが美しい。アクアマリン(うーん、ちがうな…シアン?露草色?)と紫と黄色。そして、さらに金色で縁取りがされている。上着の胴体はアクアマリンが首。ズボンと腕は紫からなっている。アクアマリンがとってもさわやかな、それでいて絹紋織、サテンの布なので、重厚感漂う衣装だ。
しかも!
このさわやかさな衣装は王にゾベイダの不貞を教えてしまう弟、「シャー・ゼーマン」の衣装なのだ。「シェヘラザード」は何度か見たことがあるが、「弟」は悪役(?)なので、もっと毒々しい感じの(まあ、だいたいこの演目は毒々しい派手派手しさに満ちているけど)衣装だったと思う。
この「正義です!」的な逆説的衣装デザイン。うーん、やるな?!
1。2ともにデザインは「レオン・バクスト」
3 「嘆く人」の衣装
白黒?!と思ってよーく見たら、白地に紺の幾何学模様のアップリケでした。「白」は、和紙みたいに思えましたが、ウールのフェルトだそうです。頭飾りとずきんがついたローブなんですが、日本の着物みたいなかんじ。やはり白は「喪」のイメージで、「嘆く人」というのも納得!!
バレエの内容を詳しく知らないのですが、これは群舞の人たちの衣装なんじゃないのかなあ…と思いました。この「ナイチンゲールの歌」というバレエの衣装は、アンリ・マティス。宮中の人々の衣装も、「着物」や「トゥーランドットの世界」なかんじ。
それもそのはず、中国のおとぎ話をバレエ化したものだそうで、王様に「日本製の機械仕掛けのナイチンゲールが献上され、王様は本物のナイチンゲールをないがしろにする…」という流れ。日本も中国も、こういうイメージあるよねえ。
番外編で「さん歌」というバレエの「星座」という衣装がモジモジ君みたいな青い全身タイツだったり、「サドコ」というバレエの「イカの衣装」(とってもうつくしかったです)なんてのがあったり、「金鶏」というバレエの「ドドン王」の衣装が最高に豪華でローブにマント、白豹のしっぽまで使われていたり、
もう一度見に行ったら、また違うものに目がとまるんでしょうね。…とはいえ、この展覧会は9月1日までです。
by bel-sogno
| 2014-08-22 13:18