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モーリス・ベジャールバレエ団2013公演

 「おー!」とも「きゃー!」とも1つにはくくれない波が客席をうめたかと思うと、ホール全員総立ちになっていた。ジュリアンファヴローの「ボレロ」が終わり、何度目かのカーテンが開いたところだった。

 ジル・ロマンが慎ましやかにファヴローの右に立っていたのだ。私はその前から立ち上がっていたのだが、ベジャールバレエ団の求心力はやはり彼なのかと、ぞくぞくした。彼が舞台に出てくるだけで、ホールの温度は何度か上がったに違いない。

 春一番が吹いた翌日。麗らかな太陽の陽射しにだまされて、ワンピースの上に薄手のコートというチョイスで出かけた私は空調の効いたホールの中でもコートを前身頃にはおっていた。初めて見た「ディオニソス組曲」でのオスカー・シャコンにジルの面影を想像し、これまた初めて見る「シンコペ」での序曲で、エリザベット・ロスと踊るガブリエル・アレナス・ルイーズの踊りをジルが踊ったらどうなるんだろうと思った。(踊らないだろうけど笑)そして、本日のトリ、「ボレロ」。「ボレロ」は音楽だけで涙が出てくるけど、右手の先にライトが当たっただけで、その世界に引き込まれる。ジュリアンは初めて見た「フォーライフ」の時からは年を重ねて、不思議な感じだった。それより初めて見たベジャールバレエ団の「リズム」の男性達の発するオーラに圧倒された。もっと後ろの席であったならば、「メロディ」のジュリアンを囲む「リズム」全体を見ることができたのだろうが、9列目では、「リズム」のエロティシズムに目を奪われると、ジュリアンを見損なう。ジュリアンを見つめていると、リズムが目に入らない…という究極の贅沢な選択を迫られるのである。

 9列目なのに握りしめていたオペラグラス。しまわずにいてよかった!最後の最後にジル様が見られて、幸せでした053.gif

 4月の「ルグリ…」の座席がまだあるらしく、劇場売りしていた。あきらめていたのだけれど、やっぱり行こうかな…

 マニュ様、ジル様LOVEなのです。
by bel-sogno | 2013-03-03 11:27

ずっこけ人生 カンターレ&マンジャー&アモーレ あと数年で定年を迎える中学校教員です。旅行が好きで、年中どこかに行きたいと心に翼が生えています。写真は念願かなって行けた沖縄のかの有名な斎場御嶽です。


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